Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
やがて、そこをお立ちになって、美濃の当芸野という野中までおいでになりますと、
「ああ、おれは、いつもは空でも飛んで行けそうに思っていたのに、今はもう歩くこともできなくなった。足はちょうど船のかじのように曲がってしまった」とおっしゃって、お嘆きになりました。そしてそのまままた少しお歩きになりましたが、まもなくひどく疲れておしまいになったので、とうとうつえにすがって一足一足お進みになりました。
そんなにして、やっと伊勢の尾津の崎という海ばたの、一本まつのところまでおかえりになりますと、この前お行きがけのときに、そのまつの下でお食事をお取りになって、つい置き忘れていらしった太刀が、そのままなくならないで、ちゃんと残っておりました。
命は、
「おお一つまつよ、よくわしのこの太刀の番をしていてくれた。おまえが人間であったら、ほうびに太刀をさげてやり、着物を着せてやるのだけれど」と、こういう意味の歌を歌ってお喜びになりました。それからなおお歩きになって、ある村までいらっしゃいました。
命は、そのとき、
「わしの足はこんなに三重に曲がってしまった。どうもひどく疲れて歩けない」