Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こじきものがたり

古事記物語

鈴木 三重吉

Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme

Aozora Bunko

二

そしてすぐにどんどん戦をなさいました。

そのうちに五瀬命が、長髄彦の鋭い矢のために大きずをお受けになりました。命はその傷をおおさえになりながら、

「おれたちは日の神の子孫でありながら、お日さまの方に向かって攻めかかったのがまちがいである。だからかれらの矢にあたったのだ。これから東の方へ遠まわりをして、お日さまを背なかに受けて戦おう」とおっしゃって、みんなをめし集めて、弟さまの命といっしょにもう一度お船におめしになり、大急ぎで海のまん中へお出ましになりました。

その途中で、命はお手についた傷の血をお洗いになりました。

しかしそこから南の方へまわって、紀伊国の男の水門までおいでになりますと、お傷の痛みがいよいよ激しくなりました。命は、

「ああ、くやしい。かれらから負わされた手傷で死ぬるのか」と残念そうなお声でお叫びになりながら、とうとうそれなりおかくれになりました。

二

神倭伊波礼毘古命は、そこからぐるりとおまわりになり、同じ紀伊の熊野という村にお着きになりました。するとふいに大きな大ぐまが現われて、あっというまにまたすぐ消えさってしまいました。ところが、命もお供の軍勢もこの大ぐまの毒気にあたって、たちまちぐらぐらと目がくらみ、一人のこらず、その場に気絶してしまいました。