Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
二
その中のある神さまには、とくに赤色の盾や黒塗の盾をおあげになりました。
そのほか、山の神さまや川の瀬の神さまにいたるまで、いちいちもれなくお供えものをおあげになって、ていちょうにお祭りをなさいました。そのために、やく病はやがてすっかりとまって、天下はやっと安らかになりました。
二
天皇はついで大毘古命を北陸道へ、その子の建沼河別命を東山道へ、そのほか強い人を方々へお遣しになって、ご命令に従わない、多くの悪者どもをご征伐になりました。
大毘古命はおおせをかしこまって出て行きましたが、途中で、山城の幣羅坂というところへさしかかりますと、その坂の上に腰ぬのばかりを身につけた小娘が立っていて、
これこれ申し天子さま、
あなたをお殺し申そうと、
前の戸に、
裏の戸に、
行ったり来たり、
すきを狙っている者が、
そこにいるとも知らないで、
これこれ申し天子さま。
と、こんなことを歌いました。
大毘古命は変だと思いまして、わざわざうまをひきかえして、
「今言ったのはなんのことだ」とたずねました。
すると小娘は、
「私はなんにも言いはいたしません。ただ歌を歌っただけでございます」と答えるなり、もうどこへ行ったのか、ふいに姿が見えなくなってしまいました。