Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

ます、ずいぶん離れてはいましたけれども、トテモ逃げる隙なんぞはありゃしません、それで私はスクんでしまいました、動けなくなったのは、自分の身が危ないからでございますね、お蝶さんがかわいそうだからでございますね。そのうちあの女の人が、なぶり殺しに逢ってしまって、悪者は右手の方へと逃げて行きました、まもなくとんとんと人の足音でございました、それが、友造さんとおっしゃるそのお方で、その時になって初めて、私の身体からエレキが取れて自由になりました。悪者をお探しになるならば、それは病人のお武家で――ああ、もう一つ肝腎なことを申し忘れました、その病人の悪者は、私と同様の盲目でございますよ、病人で盲目で、そうして辻斬をして歩きたがるのですから、全く、今まで私共は聞いたことも、むろん見たこともない悪者なんでございます」

弁信が順を逐うてスラスラと述べ立てるのを、役人も、辻番も、お蝶も、酔わされたように聞いていたが、なかにも米友が、

「あっつ、ムクがいねえ、ムクがどこかへ行ってしまった」

いまさらに気がついて、再び地団駄を踏みました。

十九

その翌朝になって、弁信、お蝶、米友の三人ともに、役所から許されて帰ることになりました。