Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
打見たところは高い柵であったけれど、その下の一部が開き戸になっていて、内から押せば開くものだということは、今まで気がつきませんでした。
南条といわれた奇異なる労働者は、さてこそと闇の中に眼をみはりました。この人は永らく獄中の経験があったために、暗いところで物を視るの力が人並以上なのであります。
そこに南条が隠れて様子を見張っているということを知らないらしい中なる人は、戸をあけると、スックと外へ身を現わしました。
それを一目見た時に南条は、直ちに見覚えのある人だということがわかりました。まだ年若き侍体の者であることは誰が見てもわかることでしたけれど、その若い侍体の人柄に見覚えがあることから、南条はじっと立って動きませんでした。
この人が外へ出ると、開き戸が内から閉されてしまったことを見ると、内にも確かに人がいることに違いないのであります。
内から出た人は、小橋を渡って木立の深みへ身を隠しました。この人をやり過ごして、中なる秘密室の構造に当ってみようか、それともこの人のあとをつけて、その行先を突留めようかと、奇異なる労働者は思案をするもののようでありましたが、その思案は後の方のものにとまったらしく、出て行く人のあとをつけて、木立の深みへ入りました。