Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほど、今日ここへ訪ねて来るように言っていたが、前夜の労働者風の姿のみ頭に残っていたから、今こうして立派な武装をしてやって来られると、頓にはそれと気がつかなかったのであります。

南条は頓着なく兵馬のいる一間へ打通って、

「いや、おかげさまで駒井とゆっくり話をすることができて面白かった。駒井は近いうち洋行をするそうじゃ。それは結構なことだ、あの男の学問と器量とを以て洋行して来れば、鬼に金棒というものだと賞めてやった」

かく言って遠慮なく、駒井能登守のことを話されるのは兵馬にとっては苦痛であります。兵馬にとっては苦痛でないけれど、一間を隔ててお君の耳へそれを入れることが心配になるのです。

南条もそれを呑込んだか知らん、

「君、ちょっと外へ出ないか、滝の川へ紅葉を見に行こう」

南条それがしと宇津木兵馬とは、相携えて扇屋を出ました。

兵馬は、南条が自分をどこへ導いて行くのだか知りません。紅葉というのは出鱈目で、王子から江戸の市中へ出るらしいのであります。時は夕暮で道は淋しい。

この途中、二人は、いろいろのことを話し合いました。人物の評をしてみたり、甲府以来の世間話をしたりしました。