Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
兵馬はこの人のいつも元気であって、好んで虎の尾を踏むようなことをして、屈託しない勇気に感服することであります。それで識見や抱負の低くないことも尊敬せずにはおられないところから、ふと自分が迷っている女の処分方もこの人にうちあけてみたならば、また闊達な知恵分別も聞かれはしないかと思いました。
そこで、思いきって一伍一什を南条にうちあけて、さてどうしたらよいものかと、しおらしくその意見を叩きました。
それを聞いていた南条は、事もなげにカラカラと笑って、
「君がその婦人を引受けたらよいだろう、駒井から貰い受けたらよいだろう」
「エエ!」
兵馬は眼を円くしました。南条は眼を円くしている兵馬の面を、調戯うもののようにながめながら、
「理窟を考えちゃいかん、君がその女の身を心配するならば、いっそ引受けて夫婦になってしまうがよかろう」
兵馬は、返事ができないほどに呆れてしまいました。
「はははは」
南条は本気で言ったのか冗談で言ったのか知らないが、高笑いをして、こんなことは朝茶の前の問題といったような体たらくであります。
「そんなことが……」
兵馬は落胆するほどに呆れが止まりませんでした。