Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
手前も一目見ただけで、言葉をかけたわけではなし、しかとしたことは申し上げられんが、今でもあれは駒井甚三郎に相違ないと思うていますな」
「なるほど、バッテーラに乗って、海を測量する、駒井のやりそうな仕事じゃ。ことによるとあの辺に隠れて、何か海軍の仕事をしているのではないか」
「なんにしても、あれが生きておれば結構、あれだけの人材を、今むざむざ葬るのはまことに惜しいものじゃ」
「いったい、駒井が甲州を罷めたのは、神尾主膳との間が面白くないためか、それともほかに何か仔細があってか」
「駒井としては神尾なぞは眼中にあるまい、主膳と勢力争いでもしたように見られては、駒井がかわいそうじゃ」
旗本の隠居や諸士の間に、駒井の噂がようやく問題になっていたけれど、道庵先生は能登守のことをあまりよく知りませんから、八十文の千住の安煙草入から煙草を出してふかしていました。
この遠藤良助という旗本の隠居は投網が好きで、上手で、かつ自慢でありました。駒井の噂がいいかげんのところで消えると、それから魚の話にまでうつって行きました。遠藤老人は、人からそそのかされて、得意の投網の話をはじめると、いずれも謹聴しました。