Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
平四郎はうしろへ、右のほうへ、ゆっくりとふり向いた。飾り道具の脇に、同心の一人が、火繩をかけた鉄炮を持って、こちらを見ている。平四郎はそれを慥かめてから、「自分はこういう者だ」
ふところから、符札を出して、はっきり相手に見せて、そして云った。
「こんど江戸から、大量の鉄炮をはこび出す者がある、ということで、急に街道街道の検問を命ぜられた、関役人の権限ではなく、公儀じきじき、鉄炮改役からの出張です、それでも荷駄は改めさせぬ、とお云いなさるか」
来太は噛みつきそうな顔をしたが、即座になんとも云うことはできなかった。平四郎は小橋与力を見、同心たちに手をあげた。
「その馬と荷駄を木戸の外へ曳き出せ、人はそのまま、片寄っておれ」
棒を持った十人の足軽が、迅速に、来太をはじめ柳沢家の人数二十人ばかりを、ちょうど柵のように、横にした棒でとり囲み、ひとところに片寄らせた。同心たちは荷駄と、からしり十五頭の馬を、木戸の外へと曳きだした。
すると、あとに駕がひとつ残った。
「あの駕は」
「病人です」
来太の脇にいた侍が答えた。平四郎はふり返って、中をあらためたか、と訊いた。