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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

第八十六回 差し当りの問題

所で実に詮索する便りもないのだ、其のまま余は中に入り権田の室の戸を叩くと、中には何だか話し声が聞こえて居たが、戸の音に連れ、其の声は忽ち止まり、遽しく物など片付ける様な音が聞こえた、余の察する所では密話の相手を次の間か何所かへ退かせたのだ。

爾して置いて中から戸を開いたのは権田自身である、戸の間から差す燈の光に見れば、彼は肝腎の話を妨げられて忌々しと云う風で顔に一方ならぬ不機嫌の色を浮べて居る、殆ど眉の間に八の字の皺を寄せて居ると云っても好い、彼は余の顔を見て「オヤ丸部さんですか」と云ったが「サアお這入りなさい」とは言わぬ、寧ろ「お帰りなさい」と云い度げに構えて居る、余も爾る者だ、「御覧の通りです、他の人では有りません」と答えて無躾に戸に手を掛け引き開けて、殆ど権田を拒退ける様にして室の中に入り、「先あ掛けさせて呉れ給え」と有り合わす椅子の上に腰を卸した。

第八十六回 差し当りの問題

無理に室の中へ入って、無理に腰を卸した余の無遠慮な振舞いに権田時介は少し立腹の様子で目に角立てて余の顔を見詰めたけれど頓て思い直したと見え「アア何うせ貴方とは充分に話をせねば成りません、寧そ今茲で云う