Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第百十四回 第一号家珍
のだ、本統に死んで了い度く成った、何にも言わずに秀子より先に立って此の室を去ろうとした、秀子は全くの他人に向かう調子で「ですが丸部さん、貴方は此の塔の底に宝の有る事を知りながら其の宝が塔の底の何所に、何の様に成ってあるか其の実質は何であるか、其れを見届けずにお立ち去りなさるのですか」と問うた、余「ハイ見届ける必要は有りません、幾百年此の底に隠れて居た者ですから、其の儘に隠れさせて置きましょう、縁が有れば誰か又外の人が取り出すでしょう」後は野となれ山と為れ、人間世界を捨てた様な此の身に宝などが要る者か、腹の中は全く自狂の有様である。
第百十四回 第一号家珍
縦しや王位よりも貴い宝にせよ、既に人間の搾滓と為った余に取っては何の必要もない、余は全く塔の底の宝を、手にも附けずに捨て置いて立ち去る積りである。
秀子は斯くと見て「イイエ開かずに置いては了いません、兎に角も私が見出したゆえ、私から貴方へ請うのです、サア何うか開いて、其の宝が何であるかを見届けて下さい、其の上で去るならばお去りなさい」殆ど命令かとも思うほど言葉に強い所が有る、余は其れでもと言い張る