Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第四十一回 自らさえ嘘の様に
余「爾う認めた証人等の認め違いです、私は断言します、此の死骸は決して浦原浦子の死骸では有りません」
第四十一回 自らさえ嘘の様に
此の死骸がお浦の死骸でないと云う事は、余自らさえ嘘の様に思う、お浦の着物を着、お浦の指環をはめ、此の家の一品たる卓子掛けに包まれて居て、爾してお浦でないなどは、理に於いて有られもなく思われる、けれどもお浦でない、余は確かにお浦でない証拠を見出した。
勿論検査官は驚いた、陪審員も驚いた、満場誰一人驚かぬ者はないと云っても好い程だ、検査官は暫く考えた末、余に向い「何故にお浦でないと認めるか」と問うた、余は明細に説明した。昔余が十二三の頃、叔父が余とお浦とを連れてシセックと云う土地へ避暑に行った事がある、其の時お浦は余と共に土地の谷川へ這入って居て(勿論跣足で)足の裏へ甚い怪我をした事がある。其の頃は其の谷川の上手の山から石を切り出して居たので、切石の屑片が川の底に転って居てお浦は運悪く其の角を踏んで辷ったのだ、何でも足の裏を一寸ほども切った、其の傷が生長してまで残って居たのみか、足が育つと共に創の痕も育ち、殆ど二寸程の痕になって居るとは、今より余り遠くもない