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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

第百十七回 天の裁判

と云った切りである。余「ナニ何事も有りませんよ」秀子は断乎として「此の戸をお開きなさい、お開きなさい」当惑に思うけれど拒む訳に行かぬ、其のうちに益々物音が高くなるから、止むを得ず戸を開いたが、秀子は余よりも先に、猶手燭を持った儘で進み入った、入ると同時に痛く打ち驚いた様子で、忽ち足を留めて突っ立った、余も続いて這入ったが、目に留る有様の余り非常である為に同じく足が留って了った。暫しは声も言葉も出ぬ。

第百十七回 天の裁判

若し秀子よりも先に余が此の室に入ったのならば、余は決して此の室に秀子を入れはせぬ、此の有様を見せはせぬ、何とか口実を設けて閾の外から立ち去らせる所で有ったけれど、悲しや余よりも秀子が先に入って、此の様を見たのだから今更如何ともする事が出来ぬ。

それでも余は猶何とかして秀子を立ち去らせ度い者と、其の肩に手を掛けて「サア秀子さん彼方へ行きましょう」と引き退ける様にした、此の時忽ち余の足許をば、矢を射る様に通り過して縁側に飛び出した一物が有る、それは虎井夫人の彼の狐猿で有る、今此の室の戸を内から引っ掻いて居た