Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第九十四回 血を吐く思い
権田は怒る様子もなく「左様さ、狂人の囈語なら少しも貴方へお気の毒な思いは致しませんが、狂人の囈語でなく、全く此の外に秀子を救う道がないから残念です」余「とは何故です、何故です」
権田「一口に申せば、貴方へ心底から愛想を盡さぬ以上は、秀子は決して此の権田時介の妻に成りません、時介の妻にならねば、時介は決して救うて遣る事は出来ません。持って居る証拠を握り潰します、ハイ是は最う男子の一言で断言します、是でお分りに成りましたか」アア彼の言葉は全く嫉妬に狂する鬼の言葉だ。
第九十四回 血を吐く思い
人が井戸の中に落ち込んで居るを見て、誰か救うて遣り度いと思わぬ人が有ろうか、人が無実の濡衣に苦しんで居るのを見て、誰か其の濡衣を乾して遣り度いと思わぬ者が有ろうか、若し有れば其の人は鬼である。
況して其の濡衣たるや養母殺し養父殺しと云う大罪で其の人は自分の愛し憐れみ尊敬する女である、其の女を大罪大嫌疑から救い出すのに、自分の妻に成らねば厭だとは是が人間の言葉で有ろうか、余は暫し呆れて権田時介の顔を見詰めて、殆ど一語も発する事が出来なんだが、彼も余の言葉を聞く迄はと云う