Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第二十五回 之が幽霊か知らん
のであろう、叔父は傷わって其のまま連れて去ったが、高輪田は此のとき不意に恐れだか驚きだか、宛も天に叫ぶ様な音調で、「オオ、神よ」と一声叫んだ、見れば彼の眼は又もX光線の様に、秀子の彼の真珠を以て飾った左の手の手袋へ注いで居る。
第二十五回 之が幽霊か知らん
秀子と長三との対面が、兎も角も秀子の勝利となって終ったは嬉しい、けれど余は何となく気遣わしい、猶何所にか禍の種が残って居はせぬか、再び何か不愉快な事が起りはせぬかと、此の様な気がしてならぬ、其の心持は宛も、少し風が吹罷で更に此の後へ大きな暴風が来はせぬか、此の凪が却って大暴の前兆ではないかと気遣われる様な者だ。
此の気遣いは当ったにも、当ったにも、実に当り過ぎるほど当った、読む人も後に到れば、成るほど当り様が余り甚すぎると驚くときが有るだろう、併し夫は余程後の事だ。
此の夜は事もなく済み、客一同も「非常の盛会であった」の「充分歓を盡した」のと世辞を述べて二時頃から帰り始めた、余も頓て寝床に就く事になった。
寝床と云うは、彼のお紺婆の殺された塔の四階だ、時計室の直ぐ下の室である、余自ら好みはせぬが秀子の勧めで此の室を余の室にし、造作なども及ぶだけは取り替えて何うやら斯うやら紳士の居室らしく拵らえてある、初めて見た