Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第八十九回 呼吸の根
第八十九回 呼吸の根
探偵森主水は何しに来た、松谷秀子を捕縛に来た、エエ、彼の来るのが今半時も遅かったなら、余は充分秀子を逃す丈の手続きを運んだ者を、其の相談の未だ定まらぬ中に遣って来たとは、其所が探偵の機敏な所とは云え折も折、時も時だ、実に余は驚いた、余のみでない権田時介も驚いた、松谷秀子も驚いた、暫し三人で顔見合わす許りである。
一人驚かぬは森主水だ、彼は先にも記した通り大きな眼鏡を掛け、自分の面相を変えては居るが三人の驚く様を平気で見て憎らしいほど落ち着いて、徐ろに其の眼鏡を取り外し、冷かに笑って「アハハハ、此の眼鏡が大層役に立ちました、是がなければ丸部さん此の門口で貴方に気附かれる所でしたよ、実は此の婦人が」と云いつつ秀子の方を目で指して「幽霊塔を出る様子ゆえ、或いは世に云う風を喰って逃げ出すのでは有るまいかと、姿を変えて後を尾けて来たのですが、イヤ逃げ出す為ではなかったけれど、尾けて来た甲斐は有りましたよ、何も彼も戸の外で立ち聴きして、今まで合点の行かぬと思ったことも皆合点が行きました、全体立ち聴きと云う