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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

第六十二回 毒蜘蛛

様に成って居る為である。アノ板戸はホンの身を隠して中を瞰く便利の為仕切りだけに設けたのだ。

爾すればアノ戸を破ったのも実際何の役にも立たぬかと、聊か残念におもい、先ず四辺の様子を考えるに、此の戸の前へは横手からも廊下が来て居て、茲で「丁」の字形になって居るらしい。横手へ行ったとて矢張り、突き当りに戸が有るのに極って居るから、先ず此の戸から試そうと、厚い薄いを叩き試みるに、戸の先に人の声がする。「ナニ医学士、其の様に甚く叩かずとも其の戸は先ほど婆さんが瞰きに行ったとき開けた儘で、錠は卸りて居ないのだよ」此の声は確かに穴川甚蔵である。錠が卸りて居ないとは何たる仕合せだろう。余は蘇生の心地をして「医学士ではなく私ですよ」と云いつつ其の戸を開いて内へ這入った、果して甚蔵の寝て居る室である。

第六十二回 毒蜘蛛

今考えて見ると彼の絵姿を貼ってあった所は元の戸口で有ったけれど、其の戸がなくなったので板を填めそうして壁の色の違うのを隠す為に詰まらぬ絵を貼り、旁々外から内の様子を窺く便利に供して置いたのだ。つまり彼の室の内で一番破り易い所であった。