Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第二十三回 少しの間
人を所天とする事は出来ません」
権田「ハイ紳士か紳士でないか知らぬが、有らゆる手を盡していけぬ時は私も恐迫も用います、腕力も用います」
争いは次第に荒々しく成って権田は終に秀子の手を捕えようとした様子だ、秀子は逃げる様に立って、丁度余の居る所へ馳せて来た、余は茲に潜んで居た事を知られ、秀子に紳士らしくないと思われるは辛いけれど最早立ち上らぬ訳に行かぬ、秀子を保護したい一心で、殆ど其の他の事は打ち忘れて秀子の前へ立ち上った、権田も秀子を追う様にして茲へ来た、硝燈の光まで青く映ずる盆栽の蔭で三人顔と顔とを見合わせた。
第二十三回 少しの間
顔見合わせた三人の中、一番驚かなかったのは秀子である。一旦は驚いたが直ぐに鎮まり、宛も余の保護を請う様に余の蔭へ立ち寄った、実に女にしては珍しいほど胆の据った落ち着いた気質で有る、男にしても珍しかろう。
権田時介は殆ど譬え様の無いほど驚いた。暫くは無言で余の顔を見て居たが、頓て余と知るが否や、「ヤ、ヤ、丸部道九郎君」と云って途切れ「人もあろうに、丸部君が茲に居られたとは、エ、不注意過ぎました」