Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第六十回 後に三本
見得で余に差し出した。其の手を開かして見ると、有難い、昨夜余が翻した燐燧を拾い集めた者で其の数が七本ある。余は涙の出るほど有難い、早速受け取って、一本の葉巻莨を燻らせたが、是でも蘇生の想いがある、ナニ空腹も大した苦痛ではない。
余は何か返礼をと思い、次の室へ行った、化粧台の中にある小箱や抽斗の戸などを外して来て夫等を砕いて煖炉に火を焚いて遣った。ナニ此の室の造作は悉く薪にしても惜しくはない、手当り次第に持って来て投げ込むと中々大きな火が燃え出したが、秋とは云えど朝などは早や肌寒を覚える頃だから、彼白痴の喜ぶ事、手を拍って煖炉の前で雀躍して居る、是が多分は余が生まれて以来第一等の功徳であろう。
第六十回 後に三本
煖炉の燃えて居る間に余は次の室に行き戸棚の中を検査したが、殆ど無一物の有様では有るけれど棚の隅に二三の薬壜が埃に埋まった儘である。若し余の想像の通り秀子が此の室に入った事が有るとすれば或いは是等の薬を呑んだかも知れぬと、取り出して埃を吹き払い、其の貼紙を見ると、一個は「阿片丁幾(毒薬)」と記して有る、一個は「発病の際頓服す可し」