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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

第十五回 聊か不審

程で呼吸さえもする事が出来ぬ、余は悶いても駄目だと悟った、若し此の臭気さえなくば虎の目へ指を突っ込んでなりとも一時の勝を制する工風も有ろうが、余は最う身動きも得せぬ中に殺されて仕舞うに違いない、彼は余の身体を一揉に揉み転し、柱の様な重い前足に余を踏まえ爾して口を開いて余の顔を噛み砕こうとしたが、余の運が虎の運より強かったと見え、此の時一発の銃声、余の耳下で聞こえると共に、虎は自ら転りて跳ね退き、実に凄まじい怒りの声を発して咆哮ったが、第二発目に聞える銃声と共に一躍り躍り揚って大山の頽れる様に其の所へ死んで仕舞った、誰が虎を射殺して呉れたのだろう。

第十五回 聊か不審

誰が虎を射殺して呉れただろう其の人こそは実に余が命の親だ。

全体余は、単に怪美人の危急を救い度い一心で自分の力をも計らずに此の室へ飛び込んだ者の、思えば乱暴極った話で、如何に腕力が強くとも赤手空拳で虎を制する事の出来る筈がない、若し此の通り虎を射殺して呉れる人がなかったなら、余は唯自分が殺されるのみでない、怪美人秀子までも虎に遣られて、余の助け度く思う本来の念願も届かぬ