Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.482 Zeichen · 160 Bildschirme
平等・博愛〕という文字が鮮によめる十サンチームの白銅がいつか十二年前の円形を既に失って居る。円は歪んだ。一方の半円がすっかり薄くまめつして居る。
表をかえすと、これはどうしたわけか白銅の半分は労役の間に不具になって男の顔のように半面ただのっぺらぼうに潰されて居る。或は「ナポレオン三世 1855」とあるが、表の鷲の姿はおぼろげに消えた十サンチームの銅貨。
それ等の潰れた小銭の持つ生活の表情がそれ等の通りにある。
カラー代りに格子縞の襟巻を巻きつけた労働者が二人すれ違った。
○巴里の煙突。素焼の Chimney。それは細かくほそく林立し、巴里大学の建物の上にも林立して、巴里の細き呼吸作用を感じさせる。
○街は暗い。右も左も暗い。たった一つ、往来に面した五階のてっぺんの天井裏から灯が見える。裏町、屋根裏の燈台。
○一つの屋根に様々に並んだ少くとも十から二三十本の代赭、薄黄の煙突。その間に混って細い三四本のトタンの煙突。
○窓の下には小庭園がある。鈴掛の木の下に小さい緑色に塗った東屋、黄色いカーテン、屋根は藁葺きだ。その小庭園を壁がかこみ、径をへだてて鉄の手摺りつき五段の入口、三階に大小の屋根裏窓が二つ開いた家がある。