Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.482 Zeichen · 160 Bildschirme
五月十四日
朝から小雨が降り、若葉爽やかな村道を二頭立の辻馬車でねって行く間にもぱらぱら落ちた。リラの花盛り杏や林檎の花盛り。美しい五月の山の頂に、ローマ時代の砦の廃墟がある。ウィン市水道の大渠橋がローマ水道の如く慎ましき町を横切って居る。
五月十四日 小雨 火
リヒテンシュタインを又見に行く。
○自分 Wien へ来て始めてドイツ派の画に在る美をはっきり理解することが出来るようになった。
○かえりに電車へのったところ、番号を間違えてあっちこっちを散々廻って、出たところはケルントナーの横。助かったと大笑いした。
◎ウインナは社会政策が世界一だという。然しこの老国に於けるこの問題は全然政策だ。こうすればよいからする、というだけで、旺なよき生活に対する熱意というようなものは、役人役人した役人から感じることは出来ぬ。著しくモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に比較して心に訴える点がここにある。此処には市として金がある。ゼイタク税、旅行者の落す金。だが若々しくあつい心がない。
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)は心がある。金がない。惜しいことだ。
六月十三日