Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.953 Zeichen · 124 Bildschirme
丁度、畑を耕すものが、眼に美しい空や森や、きらめく地平線を眺めては又鋤を振う、健康な、建設的な悦びがある。此があると分りながら、又はありながら、期日を、自分から迫らせて筆をとるのは実に愚なことだ。此、日本人らしい間に合わせ主義をすてられなかったら、自分には、大損失となるだろう。
「南路」に対する心持は、ゲーテの「イタリー紀行」によって非常に深く広くされた。
泣いたあとは、眼の周り、前額に充血したように感じ、顔を下に向けて書くと、重みで頭が疲れるように感じる。昨夜林町からかえりAの云った一言に刺される思いをして甚しく泣いた。近頃思う。人生と云うものの真実の姿は、只その瞬間瞬間の悲しみ、よろこびのみの姿にあるのではなく、これ等種々の律動、かげを浮ませつつ恒久的に或目的に向って進む変化、流転の姿である。が故に、自分が例えばH町のことにのみ拘泥し、Aの心持にのみ拘泥して、目的とすることに向って何の手を下すこともしなければ、結局、人生の末梢に生きて居ると云うことになるのではないだろうか。自分は、近頃、仕事だけが無上になって来た。仕事に興が入り、じっくりとそれに入って居るときの心持を何にたとえよう。