Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.953 Zeichen · 124 Bildschirme
十二月十七日
うつらうつら考え、「火のついた踵」に興を湧かす、書くべし。
又、先にしらべたロシアの一八六〇―七〇年代の女性の運動と日本の、昨今の運動とを比べると非常に面白い。つまり、二つの独立した小説となり、前後して発表されれば、いやでも読む者は比較せずには居られないだろう。
民衆の――女性なら女性の衷心に入って行こうとする傾向と、自分だけとび抜けたものになりたいと云う野心とは又、広さが違う。
坪内先生の御話でも思うことだが、女性は女のことほか書けないものなのか? では何故男には女のことが書けて、女には男のことが書けないのであろうか。自分にはまだはっきり分らない。
十二月十七日(土曜)床の中
結婚して居る人が永年の同棲にかかわらず、又相当に仲がよいのにもかかわらず、恋人を新に作る一瞬の心持が、自分に此頃想像されて来た。つまり、永年親とともに生活した娘が、不図恋人を見出す時とやや似ては居まいか。
すっかりなれ、あるときまった者になり、特別の刺戟も、深い愛の感激もなくて、幾年がすぎると、それが、実に、天下唯一人の良人であると云う緊張を失い、一寸恋心を誘われて、これにまけ、終には親に自分の恋を包むように、良人にも自分の恋を秘するのではないだろうか。