Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.953 Zeichen · 124 Bildschirme
六月十四日
六月十五日
午後五時頃になると、空気は温まる丈あたたまって重くよどみ、風は落ち、草の香がかんばしく四辺に満ちて、静かな夜と昼との境が来る。
Colas Breugnon を読んで、一郎爺を恋しく思う。
六月十四日(火曜)病気
六月十五日(水曜)△
久し振りの晴天で、昨夜はおそくまで用があったので、却って心持よく目覚めた。野上さんから御手紙、国男からの手紙、国男さんの手紙を見ると、いつも自分の心は暗くなる。私の、彼に頼られて居る私は、彼のために何をしてやることが出来るのだろう。体が不具だと云うこと、外見ではあれ位のものが、其那に心に暗いかげを投げるのだろうか。私の一生は悲劇です。自分の体を、その不具なのを許して自分を愛して呉れる人はないかと云う哀訴をきくと、堪らなく涙をこぼした、自分はしんから彼のためによい女性の出顕を待つ、やえ子さん(バチェラー)の心持が或程度までしみじみ同感される。
野上さんは、お清さんが来月頃かえって来る(一人で)と云うことを知らせて下さった。種々な意味で、今日は、自分が些の不平をも云うべきでない、幸福者果報者であることを痛感している。
指一本欠けずに生れたことは、如何な感謝に価することか。