Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.953 Zeichen · 124 Bildschirme

Aozora Bunko

九月二十日

ゴンクウルのジェルミニー・ラッセルトオを読む。ふと、先達って、手にふれ読み始め、気がのって読み終ってしまった。

よく書いてある。訳本なために印象がにぶくされて居るうらみはあるが、よく書いてある。

終りについて居る日記に、それを出版する時、本屋が「虱」を公衆のために「いやな虫」としなければいけないと云ったと云って憤慨して居るのを読み、感に打れた。或時代文人は貧乏と云う文字を公衆のために、しがない暮しと書きなおせと云われ、或時代、革命のことを衆愚の愚挙と書けと云われるだろう。時代によって対照と嗜好は異う。がいつも凡人は、それでは、と云う何物かを持って居るのだ。

九月二十日(火曜)

自分は不思議な心持がする。自分の仕事をする時、私は、自分の心の傍に、霊魂の居ることを感じて居なければ不安になる。

自分が何かする時Aが、家に居ないと落付かない心持がする。先は、居ると落付けず又居ないと落付けない苦しい心の状態にあった。それが今、居た方が、言葉を交わさず、顔も見ないでも心が落付いてよい。

○机を八畳の方に移し、Aの机と並んで勉強する。午後四時頃、正面からさす光が、さほどひどく気にならなくなった。