Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
「いや、あれはどうも偶然の一致じゃないかと思いますよ。僕は今朝その事に気づいたのですが、君が殺人の光景を見たのが十時三十五分頃でしたね。それから、階段の下で彼等にあった時まで、どの位時間が経過していたでしょう。君の話しでは五分か十分の様ですが」
「そうです。長くて十分位でしょう」
「ソレ、そこが間違いの元ですよ。僕は念のために、彼等の出立した時間を番頭に聞いて見ましたが、番頭の答えもやはり同じことで、その間には五六分しかたっていないのです。その僅の時間で、死体を処分して、トランクにつめるなんて芸当が出来るでしょうか。たとえトランクにつめないでも、人殺しをして、血のりを拭き取り、死体を隠し、出立の用意をする、それだけのことが五分や十分で出来る筈がありません。トランクの男を疑うなんて実に馬鹿馬鹿しいことですよ」
聞いて見れば、成程河野のいう通りです。私はまあ、何という馬鹿馬鹿しい妄想を描いていたのでしょう。警察の方では、私の錯覚なんか気がつきませんから、女中達の証言に照し合せて、てもなくトランクの男を疑ってしまった訳です。
「長吉を追っかけたことなんか、芸者と酔客との間にはあり勝ちの出来事です。