Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「まったく! あいつは鷲乗りの名人だとは思ったが、剣道まで、アア上手だとは夢にも気がつかなかった」
「なアに竹童は剣術なんて、ちっとも知っていやしないのだけれど、おまえのほうが弱過ぎるのさ。だがまア、そんなことはもうどうでもいいや、燕作さんや、一大事が起ったよ」
「え? またいそがしくなるのかい」
「用をたのみもしないうちから、いやな顔をおしでないよ。おたがいにこれが首尾よくいけば、呂宋兵衛さまも一国一城の主となり、わたしや、おまえも秀吉さまからウンとご褒美にありつけるんじゃないか、しっかりしなくッちゃいけないよ」
「合点合点。ところでなんだい、その一大事とは」
「それはね……」
婆はギョロリと館のほうへ目をくばってから、燕作のそばへすりよって、その耳へ口をつけてなにやらひそひそとささやきだした。
しばらく、目を白黒させて聞いていた燕作。
「えッ、じゃさっきの旅僧が、天目山からのがれてきた勝頼だったのか」
「しッ……」
その素頓狂な声をおさえつけて、
「わたしはここに見張っているから、はやくこのことを呂宋兵衛さまに知らせてきておくれ。こんな役目はおまえさんにかぎるのだから」