Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
菊亭家の密使
一
この間うちから、千年山毛欅の洞穴の中にかくれて、毎朝、喬木の上によじあがり神刑にかけられている忍剣の口へ、食餌をはこんでいた猿と見えたのは、まったく、竹童なのであった。一党のうちでも長兄のようにしたっている忍剣が、むごい神縄にかけられて山へ送りやられた時から、この洞穴にしのびこんでいた。
そうして、忍剣と苦をともにしながら、忍剣のいのちを守っていたかれである。なんで、敵方の旨をふくんで忍剣を殺そうとしてきた蛾次郎に、むざと奇功をあげさせるものではない。――ぼつぜんと怒りを発した竹童はあい手が、樹上の忍剣へ、狙撃の引金をひこうとするすきへむかって、かんぜんとおどりかかってきたのである。
しかもそれが、蛾次郎であるとわかったので、かれはもうきょうこそこの天邪鬼を、だんじて、生かしておくことではないぞと怒った。蛾次郎もまた、だいじな出世のいとぐちをつかもうとする矢さきへ、またぞろ竹童がじゃまをしにでたので、目的をはたすまえに、かれの息のねをとめてしまわなければならぬと、すごい勢いで応酬していった。
まったく人まぜをせぬ格闘がつづいた。
上になり下にころげして、たがいに致命的な急所をおさえつけようとしているうちに、蛾次郎は竹童のからだへ足業をかけて、その手もとをぬけるや否、パッとかけはなれて、