Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
」
そして、自動車がとまったかと思うと、運転手はグーッとうしろをふりむき、黒いピストルのつつ口が、明智の胸にむけられました。しかし、それよりも、もっとおそろしいものが、こちらを、じっとにらみつけていたのです。さすがの明智も、それをひとめ見たときには、思わずゾッとしないではいられませんでした。
運転手の顔は、ろう人形だったのです。二つの目が黒いうつろになって、すきとおるように青白い、西洋人の顔をしたろう仮面だったのです。
タクシーと見せかけた、この自動車は、じつは怪老人の車でした。明智の自動車に自転車をぶつからせて、動けなくし、こまっているところへ、からのタクシーを通りかからせ、しぜんに、明智がこの車にのるように、しむけたのです。名探偵はまんまと、怪老人の計略にかかったのです。
しかし、明智はべつにうろたえるようすもなく、じっとクッションにもたれて、ろう仮面をみつめていました。ちょっとでも、すきがあれば、ぎゃくに、あいてを、とっておさえようという考えなのでしょう。
ところが、そのとき、またしても、ふしぎなことがおこりました。
明智がもたれているクッションのせなかが、グーッと前のほうへ動きだしたのです。