Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
そのとき通りかかったタクシーというのが、悪者の自動車だったのです。」
そして、文代さんは、そのときのありさまを、くわしく話しました。
「その、あやしいタクシーの番号は?」
中村係長が口をはさみます。
「それが、ざんねんなことに、運転手は自分の自動車の修理に気をとられて、番号を見なかったと言うのです。」
「そうですか。とにかく、そのタクシーの色と型を、本庁へ知らせて、全管下に手配させます。」
係長は、すぐさま、卓上電話をとって、文代さんからタクシーの型と色を聞きながら、テキパキと手配の事務をすませました。そして、受話器をおいたときです。まちかまえていたように、電話のベルがなりだしました。
小林少年が、すばやく受話器をとって、耳にあてましたが、ちょっとあいての声をきいたかと思うと、小林君の顔色がサッとかわりました。そして、「へんな声です。聞いてください。」と、受話器を中村係長に、わたしました。
「オイオイ、何をグズグズしているんだ。文代夫人はいないのか。文代さんに話があるんだ。」
みょうな、しわがれ声が、ぶさほうにどなっているのです。
「きみはいったいだれだね。