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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

口に出かかったその言葉を、伸子は、変な狎れやすさとなることをおそれてこらえた。比田礼二の風采には、新聞記者という職業に珍しい内面的な味わいと、いくらかの憂鬱さが漂っていた。

「気に入ろうと入るまいと、地球六分の一の地域で、もう実験がはじまっているのが事実なんですがね」

彼はぽつりぽつりと続けた。

「――人間て奴は、よっぽどしぶとい動物と見えますね、理窟にあっているというぐらいのことじゃ一向におどろかない」

彼は人間の愚劣さについて忍耐しているような、皮肉に見ているような複雑な微笑を目の中に閃かした。

「見ようによっちゃ、まるで、狼ですよ。強い奴の四方八方からよってたかって噛みついちゃ、強さをためさずには置かないってわけでね」

そのとき、人々の間をわけて、肩つきのいかつい一人の平服の男が、二人のいる壁ぎわへよって来た。

「――えらく、話がもてているじゃないか」

その男は、断髪で紺の絹服をつけている伸子に、女を意識した長い一瞥を与えたまま、わざと伸子を無視して、比田に向って高飛車に云いかけた。

比田はだまったまま、タバコをつけなおしたが、その煙で目を細めた顔をすこしわきへねじりながら、