Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

十八

やっと病棟の廊下をそろそろ歩きするようになった伸子に代って、ひまを見ては素子がその調べのために歩きまわった。こういうことを、伸子と素子とは慎重に二人の間だけの事務にしていた。少くとも、フロムゴリド教授が伸子のカルルスバード行きに賛成して、証明書のようなものを書いてくれるまで。伸子も素子も、いらざるひとに――藤原威夫のようなひとに――二人のこの計画へ手を出されることをひどくおそれた。

十八

いったい、佐々のうちのもの、と言ってもそれは多計代の意志で決定されたものなのだったが、いつの間に、ヨーロッパへ出かけて来ようという計画をたて、その決心をし、船室までとったのだろう。

モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)東京間の電報往復にさきを越されてやっと三月三十日ちかくなってついた多計代からの二度目の部厚い手紙を半分ばかり読んだとき、伸子はそういう疑問にとらわれた。手紙の最後の頁をみると、二月二十一日夜と、多計代がそれを書いた日づけが入っている。素子からのしらせで伸子の病気を知り、胸をうたれ、と言って来た一回目の手紙は、いつごろ出したのだったろう。伸子は枕もとのテーブルから紙ばさみをとって、しまってあるその手紙を出してみた。