Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
三
いる。そのなかにたった一つ、見ていればいるほどデザインが面白くなって来るサファイア色の透明な石にダイアモンドをあしらった腕環が飾られているのだった。
ブル※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ールに面して大きな入口のあるこの宝石商の黒く滑らかな石の外壁には、適宜な間隔をおいて三つ最新式な飾窓があって、いつも高価そうな品が飾られていた。通りすがりに一瞥していただけで、伸子たちがその前に立ちどまったのは、その日がはじめてだった。伸子は、ぶらぶら歩いて来た足を、
「こう威風堂々としていると、まがいものでも十分圧しがきくわね」
と、笑ってわるくちを云いながら、ふと止って、腕環を眺めはじめたのだった。
その年、女の服装は頭から爪先にまでなだらかに流れる線を主張した流行で、主だつ色も柔らかな肌色、しゃれた朽葉色を中心としていた。その代り、その色のきりかえや女の身につける飾りの小物類は、アクセントの強い直線の図案が多かった。その飾窓にある腕環は、そういうモードの極限をとらえていて、伸子に名のしれないそのサファイア色のどっしりした長方形の石は鋭い十五面体に截られ、質のいい小粒なダイアモンドにつながれている。