Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「ただそうしているんじゃないのかしら」
セント・ポールのその大階段では、きたないズボンの両膝を立てた上へ顔を伏せて眠っている男もあれば、肱枕で体をよこにしている男もあった。新聞紙をひろげて、パンの皮をかじっている男もあった。日曜日の朝日に正面からてらされながらその石段にすずなりになっているのは、よごれてぐったりした男たちばかりだった。
「金でももらっていましたか」
「いいえ。ロンドンでは、乞食でも、歩道の上に色チョークで色んな絵をかいて、その上に、ありがとうって書いて、じっと坐って待っているのよ」
何と皮肉だったろう。歩道に描かれているそれらの色チョークの絵はいわゆるイギリス風の趣味で、ヨットの走っている風景だの、羊のいる牧場だの、サラブレッドのつもりの馬の首、立派な犬などだった。
「それほどかなあ」
蜂谷は考えこんで歩いた。
「佐々さんは、マクドナルドの公約破棄の証人の一人だっていうわけだな」
「そうよ。『ワーカアス・ライフ』がおこって、書くはずなんです。『賃銀は低下しなければならない』ボールドウィン。『然り。しかし仲裁裁判によって』マクドナルドって。――独立労働党と少数運動者は、盛にそんな仲裁裁判は不当だって云っていました」