Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子はそういう風に感じとった。
「しかしね、彼の場合はあながち、そういう意味からだけやっているんでもないと思える点もあるんだ。たしかにマルクスの理論は、学問として、もっと研究されていいのは事実なんだ」
蜂谷自身、そういう研究題目にひかれているところもある声だった。
かけている石のベンチにおちていたつたのわくらばを指の間にまわしながら、伸子はふと沈黙におちた。彼女の前には、傾きはじめた午後の日ざしに、大理石柱の白い影を光らせている池のおもてがある。髪を苅りあげている伸子のさっぱりした頸すじに、ななめよこから西日がさしている。気づかないでいるけれども、伸子の耳たぼは西日にすかれて、きれいに血色を浮かしている。落葉のあるベンチの前の土の上を、蜂谷は、往ったり来たりしていた。帽子を、伸子のわきに、ベンチの上においたまま。
利根亮輔と伸子とのロンドンでのつき合い。――あれは、ほんとうは、どういうことだったのだろう。伸子は、モンソー公園の静寂の中で、それを思いかえしているのだった。
丁度、「プラウダ」に出たブハーリンに対する日和見主義と偏向に対する批判が、各国新聞のニュースになって、伸子をおどろかしていたころだった。