Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
――でも、それは別よ。そうでしょう? 別であり得るのよ」
またしばらく黙って歩いて、バッキンガム宮殿のすぐ近くの角を曲るとき、伸子は、ひきこまれそうになっていた渦から解放されたほほ笑みで、
「利根さん」
とよんだ。
「わたしはね、ミス・マクドナルドでもないし、ミス・木村でもないの。だからね、対立があるからこそ協調してゆくっていうイギリスの流儀では、万事やってゆけないのよ」
「――そうか!」
バッキンガム宮殿のまわりを、機械人形のように巡邏している華やかな服装の若い近衛兵が、そのとき伸子のすぐわきで、まじめな顔つきで規則正しいまわれ右をした。
伸子は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にいる素子へのたよりに、利根亮輔と話すいろいろのことを書いてやった。バッキンガムのまわりを歩いたことも。しかし、その散歩のとき短くかわされて、二人の間柄を決定した会話についてはふれなかった。
今夜かあした、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ書く手紙のなかで、伸子は、「モンソー・エ・トカヴィユ」の七階へたずねて来た蜂谷良作と出かけて、モンソー公園に、こんなにゆっくりしていることについて、どう書くだろう。