Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「ムシュウ・アチヤ」

Hの音をフランス流のアに発音して、きいた。

「マドモアゼルは何と云っていらっしゃいますの?」

「わたしは、マスコットをホテルへ忘れて来てしまったんです」

「まあ。どんなマスコット?」

フランシーヌの英語は、ぎごちなくて、ひどく鼻にかかった。

「白い猿」

フランシーヌは、ちらりと蜂谷を見た。おとなぶった娘の眼づかいだった。すぐにも一人で戻って行って、忘れものをとって来ようとする気持、それもあわただしすぎると思う気持。伸子はその二つの気持で迷った。

「そんなに気になるんなら、もう少したったら、どうせみんなで市内へ出ようと思っていたところだから、そのついでによって見たらいいじゃないですか」

伸子が引越して来たおちかづきに、ジャックが店から帰って来たらフランシーヌと四人づれで、支那料理をたべに出かけようというのだった。

支那料理ということで、伸子はまた困った。日貨排斥がはじまってから、伸子はパリの中華人たちが、日本の帝国主義にひっくるめて、日本人一般に反撥をもっていることを当然だと考えていた。料理店を開いているからには、客として誰が行こうとそれでいいのだろう。