Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子は、そうすることでその隅に自分を馴らそうとするようにして、窓から景色を眺めながら、その机の上で意識してゆっくりと味のうすい朝の茶をのんだ。蜂谷が二年越し、この部屋に生活したということは、伸子を不思議がらせた。彼はどこに本を置いていたのだろう。炉棚の上だろうか。もしかしたら衣裳棚をつかっていたのかもしれない。壁と衣裳棚とにはさまって、どっちの肱もつかえた感じのこの机で、蜂谷が落付いていられたとすれば、それは彼の仕事が経済学というものだったからだろうか。この部屋では、伸子に自分のいるだけの空気さえたりない感じがするのだった。
伸子は、新聞をもって、庭へおりて行った。伸子が表玄関のドアから出て、小砂利をしいた庭の小道を奥の方へ歩いてゆくと、反対の方から灰色の大前掛をかけたベルネのお婆さんが、両手に五つばかり梨をもって出て来た。ベルネのお婆さんは、毎朝自分で庭をまわって梨をあつめ、それをガラス張のヴェランダの床へきちんと四列に並べて乾しているのだった。梨はもう四十二個あって、冬の間たべる乾果物がつくられるのだそうだった。伸子とフランシーヌとをつれて最初の庭まわりをしたとき、お婆さんは、ヴェランダに乾してある梨を伸子にみせて、