Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「ふーん。きみたちの間には、そういうこころもちがあるのか」

蜂谷良作は、

「吉見君にも、あれでなかなかいいところがあるんだな」

むしろ感慨ふかそうに云った。

「そうでなくて、どうしてこんなに長い間暮して来られるもんですか」

「そういうわけだな。――そりゃ、たしかにそうだ」

深く会得するように、蜂谷良作はうなずいた。素子が、あれで、思いもよらないとき急におこり出したり、おこると、そのおこりかたがひどくて、妙にぐらんと居直るような切ないところさえないなら……。たとえ、こういう小切手をもらい、それを心からうれしいと思っても、そういうときの素子に、伸子がついて行けないことに変りはなかった。そのついて行けなさは、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)生活の間に伸子の側で強くなって来ている。あいてが誰であるにしろ、ひとからおどかされて泣いたりするような自分、そういう自分を軽蔑することを伸子が学んだからだった。

伸子と蜂谷良作とは、商業街の小商人たちが食事兼用談をする町角のカフェー・レストランで、簡単な昼食をとった。

「きょう、わたしは、ほんとすごいけちなのよ。アントレまでは、さっきのきまりどおりよ」