Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そのかわりに、春のころは、協同販売所という看板をかけてあるぎりで、入口の赤錆色の鉄扉がしめられていた店舗が二軒並んで開かれていた。店内は品物不足だった。買物籠を腕にかけ、プラトークで頭をつつんだ女が一つの売場の前にのり出してきいている。
「バタはいつうけとれるんですか」
「一週間あとに」
「どうして? おかしいじゃないの。わたしが一週間前に来たとき、お前さんは一週間あとに、って云ったくせに」
「もう一遍、一週間あとに、なんです」
「いつだってそうなんだ! うちには子供がいるんですよ」
わきに立って問答をきいていた白髪の肥った婆さんが、古風なモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の口調で云った。
「ごらん、これだからね、おっかさん。主婦たちが協同組合のウダールニクをこしらえなけりゃならないってわけなのさ」
多くの生活を知って、まだまだ老耄していない年よりの大きい眼が、そばにいる伸子をちらりと見た。
「あの人たちには分らないさ。まだ、自分の口ひとつを心配していればすむ年頃だもの、よ」
ソヴェトの人々は五ヵ年計画の第一年に、工作機械やトラクターや、或いは、それらを製造するいくつかの工場都市をつくった。