Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

私のところでは、思いがけないことがおこったのでした。弟が急に亡くなりました。急に――おわかりになりますでしょうか。伸子さんには分って頂けることと思います。

伸子さんには分って頂ける――弟が急に死んだ。それは保が急に死んだように死んだと解釈するしかない文面だった。蕗子の弟――どうして自殺したのだろう。伸子さんには分って頂けるという、ふくみの中には、その原因がやっぱり保のように思想的なものだということもほのめかされていると思える。伸子は、喉もとへこぶがあがって来て、声がつまった。

「あなた、蕗子さんに何とか云ってあげた?」

「書きようないじゃないか。二人にあてて来ているのに――ぶこは帰っていないなんて書けるもんか」

「別のことだわ、それとこれと」

素子は、何とこまかく、伸子への懲罰を用意していたことだろう。伸子は二重におどろきを感じながら蕗子の手紙をよみつづけた。蕗子の弟は洋画の勉強をしていた。姉のひいき目からばかりでなく嘱望されて居りました。彼にも現代の芸術家の苦悩が襲ったのでした。芸術上の理論について。彼は芸術至上主義でいられない自分と、他の理論との間で、墜落いたしました。