Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「よござんすよ、そんなわけなら、長いことでもないんだし、この室へもう一つの補助ベッドを入れさせましょう。朝のお茶はどうせ大したことないんだから一緒にして、正餐は別。いいでしょう? あなたは補助ベッドの代を自分で払って下さい。二ルーブリ、ちょっとだから」
濃くてこわい日本人の髪の毛を、あっさり左わけにして、いくらか反っ歯の、頬骨の高い蒲原順二は、こうして伸子たちの部屋の一隅で臥起きすることとなったのだった。
日本の画家がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来たのは蒲原がはじめてであった。プロレタリア美術家同盟は、労働者クラブに飾るため、日本のメーデーの絵を彼にもとめた。百号で、画布とアトリエが提供された。
蒲原は、朝の茶がすむと伸子たちの室を出かけて、毎日光線の許すぎりぎりまで、共同アトリエで制作した。大体出来あがって、その下見が行われたとき、伸子もついて行った。プロレタリア美術家同盟の書記局の仕事をしているミチェンコという大男の画家は、板壁にたてかけた蒲原の作品をじっと見ていて、
「あなたには、相当の技術がある」
暫くとぎれて、
「これだけ描けるならもっと、日本の労働者らしい顔や体つきの特徴がつかめるはずだと思うがな。