Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
カンヴァスが、板壁に立てかけられた。伸子がなぜ下絵で見せに来たかという理由を説明した。絵の具の心配について蒲原が伸子たちにうちあけたことにはふれないで。
「わるくないじゃないですか」
彼自身一人の画家として、外国の画家の仕事を、下絵から見るということには、おもしろさがあるらしかった。
「まじめに努力してある」
蒲原にタバコをとらせ、自分も咥え、火をつけて、煙をふかく吸いこみながら、なおカンヴァスから目をはなさずにいたミチェンコは、突然、
「タワーリシチ・カンバーラ」
蒲原の名をよんだ。そして、自分でもその発見に目をみはる声の調子で、
「どうして、君は、人物の肉体をすっかり描かなかったんですか」
例の手まねで、
「足もとから、体をすっかり頭まで」
自分の体の線をたどって足から頭まで人さし指を動かした。
蒲原の画面では、催涙弾をうけた瞬間の市電従業員の群が左側に大きく迫った八分身で描かれ、早くも倒れた一人の婦人車掌の体をこして、むこうに、警官隊の例が見えている。
「全体の物語をお描きなさい。労働者たちが、こういう野蛮な襲撃をうけたとき、彼らは、いつだって全身でたたかわなければならないんです。