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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「あのころもずいぶん、迷っていたようだったが……」

「みんな、それぞれ迷うんだな。しかし、あれでよかったんだろう」

川瀬勇は、彼流に、説明をぬいた話しかたをした。

「ところで、君自身は、どうしているのさ?」

長い脚をくんで、長椅子にかけている川瀬勇の頭から足の先までを、素子はわざと、じろじろ調べるように見た。

「例のひとの方は、どうなった?」

「結婚したよ」

中国青年にみまがう眼のおおきな川瀬勇の顔の、耳の下がすこしあからんだ。

「じゃ、わたしたちも何かお祝いしなくちゃいけないわ」

会ったことのない川瀬の新妻のために、伸子は何をおくったらいいだろうと思った。

「それもそうだが――大体、きみはいつまでここにいるのさ」

「きょうの午後、帰る」

「か、え、る?――ほんとかい?」

「ほんとさ」

「あきれたひとだ、じゃ、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へはいつから来ていたのさ」

川瀬は、だまったまま素子の顔を見て組んでいる脚をぶらぶらふりはじめた。彼として、素子の質問は答えるに不便なことらしかった。

「そんなことは、まあいいとして……午後立つというんじゃ御飯によぶわけにも行かないし……」