Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「そんなものか。君の本なんかは、どうかい」
「わたしのなんか、少いですよ」
伸子は、いくらかくつろいだ笑顔をした。
「こっちへ来る前にかいた長篇は、千と二千の間だったようです」
「そんなことじゃ仕様がない!」
白髪の頭を山上元はきつくふった。
「プロレタリア作家の本も、日本じゃそんなに少ししか売れないのかい?」
「それはもっと多いでしょう。『戦旗』だって、かなり出ているらしいし、『太陽のない街』や『蟹工船』は、もちろんもっと出ています」
「それだって日本じゃどうせ高がしれたもんだろう。こっちじゃ、ファジェーエフの作品なんか百万部よまれているよ」
それはそのわけだった。図書館、労働者クラブ、学校・工場・役所の図書室、ソヴェトじゅうの公共施設は、あらゆる古典と現代の代表的な作品をそなえつけようとしているのだから。それが五ヵ年計画の文化計画の一部であった。
「日本の読者は、めいめいの懐で、一冊の本だって買わなければならないんですから、つらいんです」
「それもそうだな」
山上元は、ちょっと考えこんだ。彼も、青年時代には、一冊の本を買うことも出来にくい生活だったのだ。
「ところで、どうだい、ほんとに、こっちで暮す気はないかね」