Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

それは素子が伸子に向って訴えたただ一度の言葉だった。一緒にモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来た伸子と素子とが、或る日、素子ひとり戻って行く。佐々のうちのものは、伸子をのこして、ひとり帰って来た素子に向って何というか、それは伸子に想像されることであり、そしてまた、それが素子を根本的に動じさせることでないことも想像された。素子をたえがたくしているのは、伸子がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にのこるようになったという結果を反射して、自分に向けられるにちがいない軽しめのようなものの予感だった。彼女がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で収穫した学問への軽蔑ではないにしろ、伸子はモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に残った、という事実は、一方に、どっさりの本をもって、ロシアの現代古典に通暁し帰って来た素子の生活態度と、つよく対照するのは当然であった。ソヴェト同盟や他の国の街々で三年暮して来た間に、伸子の生活感情と、素子の生活態度との上につもったちがいは、何ときびしく踰えがたいものになったろう。それは、伸子からはじまったことだろうか。