Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そのことについて、伸子はほとんど顧慮していなかった。
伸子は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の時々刻々を愛し、沸騰し停滞することをしらない生活の感銘一つ一つを貪慾に自分の収穫としてうけいれていた。伸子がウメ子のような友人にかくハガキの文体でも、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来てからは少しずつかわっていた。伸子としてはそれが自然そうなって来ているために心づかなかった。――わたしの住んでいるホテル・パッサージの壁紙もない室の窓は、トゥウェルスカヤ通りに面しています。そう書けば、伸子は、その窓の下に見えていて骸骨のような鉄骨の穴から降る雪が消えこむ大屋根の廃墟の印象をかかずにいられないし、その廃墟をかけば、つい横丁を一つへだてただけで中央郵便局の大工事がアーク燈の光にてらされて昼夜兼行の活動をつづけていることについて、沈黙がまもれなかった。この都会の強烈な壊滅と建設の対照は伸子の情感をゆすってやまなかった。伸子は、厳冬のモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の蒼い月光が、ひとつ光の下に照したこの著しい対照のうちにおのずから語られている今日のロシアの意志に冷淡でいられなかった。