Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
タクシーの窓へ顔をぴったりよせてそとを見ている伸子の前を、どこか田舎風な大きい夜につつまれはじめた都会の街々が、低いところに灯かげをみせ、時には歩道に面した半地下室の店の中から扇形の明りをぱっと雪の降る歩道へ照し出したりして通りすぎた。通行人たちは黒い影絵となって足早にその光と雪の錯綜をよこぎっていた。それらの景色には、ヨーロッパの大都市としては思いがけないような人懐こさがあった。
きょうはモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の第一日。――その第一瞥。――伸子はこみ上げて来る感情を抑えきれなくなった。ベッドのきしみで素子をおこさないようにそっと半身おきあがって、窓のカーテンの裾を少しばかりもちあげた。そこへ頭をつっこむようにして外を見た。
二重窓のそとに雪が降っていた。伸子たちがゆうべついたばかりのとき、軽く降っていた雪は、そのまま夜じゅう降りつづけていたものと見える。見えない空の高みから速くどっさりの雪が降っていて、ひろくない往来をへだてた向い側の大工事場の足場に積り、その工事場の入口に哨兵の休み場のために立っている小舎のきのこ屋根の上にも厚くつもっている。