Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
寝台がわりのディヴァンの上で目をさまし、そういう清潔ではあるがうるおいのない朝の光線に洗われて、すぐ横から突立っている大テーブルの上に、ゆうべ茶をのんだ水色エナメルのやかんが光っているのを眺めたりするとき、伸子は自分たちの生活がほんとに平凡なモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)暮しの道具だてにはまって来たのを感じた。そして、伸子としてはその平凡であるということに云いつくせない勇躍があり満足があった。
夜になるとカーテンのないアストージェンカの室の窓ガラスの面に、伸子たちが室内でつけているスタンドの緑色のかさの灯かげが映った。長テーブルの中央に本を並べてこしらえた区切りのあっち側に素子が、こっちのドアに背をむける側が伸子の場所だった。ルイバコフの夫婦は小さい男の子を寝かしてから二人で映画へ出かけ、台所に女中のニューラがいるだけだった。アパートじゅうは暖くて、しんとしている。八時になると、ギリシア系で浅黒い皮膚をしたニューラがドアをたたき、
「お茶の仕度が出来ました」
コップや急須をのせた盆をもち、水色エナメルやかんを下げて入って来る。伸子たちは、朝と夜の茶の仕度だけをルイバコフの台所でして貰って、正餐は外でたべた。